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パーフェクトブルー

竹内義和,村井さだゆき
ジェネオン エンタテインメント


「あなた誰なの?」


 大抵の映画は観賞後友人に勧める私ですが、これは本当にお勧め出来ません。何を見ても受け付けられるよという人ならある程度の覚悟を持って臨めば大丈夫だと思います。でも本当に一般人にはお勧め出来ません。ただのアニメ好きにもお勧め出来ません。いくらあの江口寿史や大友克洋が製作に携わったからと言っても、あまりにもグロテスクなのでお勧め出来ません。そう思うのも私が女だからでしょうか。
 竹内義和の『パーフェクトブルー 完全変態』を原作とした、1998年のマッドハウス制作アニメ映画であり、ベルリン国際映画祭招待作品。ただし、本作は原作には「アイドル」「ホラー」「熱烈なアイドルのファン」という要素を入れる、という条件以外全く沿っておらず、原作者もそれを了承済みの上での制作。今監督が細部までこだわって作るため、とにかくカメラワークから何からとてつもなく細かく背景も美しいのですが、如何せんストーリーが万人受けしませんね。暴力・レイプ・殺人と犯罪的嫌悪的要素がばっちり揃っているので、本当に受け付けない人は見ない方が良いです。日本国内ではR-15、外国では18禁の取り扱いとなっているようです。国内は勿論、海外でも評価が高いのですが(映像と構成は本当に素晴らしいので)、個人的には非常に後味が悪いです。ラストはある意味スッキリしますが、もう一度見たいとは思いません。声優陣はそれなりに豪華なので、見る方はそれなりの覚悟を決めてからどうぞ! 

 しかしこれが初監督作品とは、今敏監督の才能には恐れ入るばかり。


(2009.7.9)
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ヒトラー ~最後の12日間~


 この映画を観る前に、最低限の知識を本やネットなどで仕入れておくことが何よりも重要です。『ワルキューレ』(2009、ブライアン・シンガー)と比較しても難解な部分が多く、それというのも元々ドイツ国内で作られたものなので、知識のあるドイツ人とほとんど何も知らない日本人とでは知識前提が全く違うためです。エンターテイメント性はほとんどありません、大戦やナチスに興味のある人にお勧めの作品。

 原題が日本語に訳すと「墜落」「崩壊」といった意味を表す一語であるのに対して、邦題では「ヒトラー」と付けられてしまっているために、多くの人がヒトラー個人を掘り下げて描いた映画だと思い込んでしまったと思うのですが、実際は「終戦」という事実をヒトラーの周りにいた人たちの視点で語ることで、その時ドイツがどれだけ混乱していたかを描いた一種ドキュメンタリー的な作品です。サウンドトラックもあまり無く、少し冗長に感じる部分もあると思います。2時間半に渡る映像で淡々とドイツ軍の崩壊が語られるので、『戦場のピアニスト』(2002、ロマン・ポランスキー)等と比べると大衆性に欠ける気がします。ただ最後に紹介された没年などのデータは他の映画にはなかなか無いもので、歴史資料を垣間見ることが出来る点においては素晴らしいと思います。秘書や料理人の最期まで言及するのは珍しいですね。
 この映画ではドイツが良いとか悪いとかではなく、国家に従事する人生を送り、追い詰められた人間がどうなっていくか、という「人間」がより色濃く描かれています。熱狂的な者や不信を示す者、終末を目の前にして行動に移す者や何も出来ない者など様々です。主人公がヒトラーの秘書ということで、少々彼女に肩入れしたような展開になっていますが(ヒトラーとの別れのシーン等)、基本的にはその場にいた者から見たヒトラー、そして彼ら自身の終焉に焦点が当てられています。勿論、話の展開上多少美化された点はあるだろうと思いますが(ペーター少年のくだりとラストはどう考えても都合が良い)。ユダヤ的なものは一つも出てきません。全てにおいて「ドイツ人の」映画です。登場人物が多すぎるので、誰に感情移入するわけでもなくただ事実を見せられる感じです。戦争資料映画としては相応しいような気もしますが、良くも悪くも客観的です。登場人物も多ければその分エピソードも情報量も多いので見る方は大変です。数回見てやっと理解出来る、といった感じ。

 こういった映画を見て毎回思うのが、「自分は何も知らないんだなあ」ということです。日本も敗戦国のはずなのに、小さい頃から戦争の歴史教育をされるドイツとは大違いですね。戦争映画を見て単に「悲惨だ、戦争は良くない」と思うだけではなく、そこから何かしらの知識と啓発を得ることが重要だし、そのために戦争映画があるのだと思います。


(2009.5.31)
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善き人のためのソナタ

フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク,ガブリエル・ヤレド
アルバトロス


「HGW XX/7に捧ぐ」


 旧東ドイツでの秘密警察・シュタージに関する史実に基づいた映画です。日本ではひっそりと公開されたためにあまり知られていませんが、ドイツで映画賞を総なめにしたというのも頷ける作品です。しかしアルバトロス配給映画には外れが無いな。

 第二次世界大戦中、東ドイツでは素行が疑わしい人物に対してシュタージによる監視が行われていたという事実があり、その「監視」を通して主人公の心が変わっていく様子が淡々と、かつドラマチックに描いてあります。「真実」と「映画っぽさ」の混ぜ方が自然。インタビューでも言っていましたが監督が特にこだわったのが「全てにおいて本物を使う」ことらしく、コレクターや博物館に声を掛け、セットも機材も何もかも本物を使用したらしいです。何よりすごいのは、主人公である監視役のヴィースラーを演じたウルリッヒ・ミューエ氏自身が旧東ドイツ時代に実際に監視・盗聴を受けていたということ。それも自分の妻に監視されていたと言うので当時の体制には驚くしかありません。
 『グッバイ、レーニン!』では東側のことを懐かしむ視点から描いていましたが、東側の裏を描いたこの作品と比べて見ると面白いかもしれません。細かく見ないと分からないことやメイキングやインタビューがなかなか興味深いので、できれば本編と合わせてそちらも見てほしいです。ということで特別版が手に入る方はそちらを購入されることをお勧めします。
 最後の台詞はとにかくラストを飾るに相応しい言葉でした。ラストの印象がとても強い作品です。ドイツ好き、歴史好きにお勧め。


(2009.5.8)
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グッバイ、レーニン!


 ドイツ制作のドイツ映画です。東西統一前後の、東側に住む家族の悲喜劇を描いたもの。父親のいないアレックス(ダニエル・ブリュール)が、心筋梗塞で倒れた東独愛の強い母のため、東側の顔を立てつつ嘘を吐き続けるお話。今母に東独が無くなったことを伝えてしまったら、ショックで倒れてしまうかもしれない! とうい脅迫観念の元、友人と協力してあたかも東独が存続しているかのように振る舞います。正直そこまでやれるだろうか? とも思いますが、友人デニスと共に作った最後のニュースは「こうあったら良かった」というアレックスの気持ちの現れなんだなと思うと少し切ない気もします。この映画のように東を懐かしむ風潮のことを、英語で"ostolgia"と言うそうで。うまいこと言いますね。
 コメディとシリアスがうまい具合にミックスされた映画だと思います。笑っちゃうところもアリ、スリリングなところもアリ、しんみりするところもアリ。とにかく映像がお洒落です。病院の先生がスマイリーマークのついたカップを使ってたりして、小物も可愛いです。音楽も『アメリ』のヤン・ティルセンが担当してるのでノスタルジックな旋律が素敵です。エンドロールまでかわいく作ってあって細かい。

 映像も曲も良いのでオススメです。


(2009.3.24)
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ワルキューレ


"I'm a soldier. I serve my country. But this is not my country."


 見る前に少し「ヒトラー暗殺計画」について調べたおかげで、少し内容が頭に入りやすくなった気がします。コアントローのくだり等は特に知識があるか無いかで理解度が変わってくるのではないでしょうか。やっぱり多少の予備知識は必要かもしれません。配給元の配慮なのか字幕と共に登場人物の名前が出ますが、覚えにくいのも事実なので、予習必須です。
 正直トム・クルーズ目当てに見たのですが、個人的には見て良かったと思える映画でした。映像も音楽も美しいし、結末が分かっているにしても途中ハラハラするようなところは多々ありました。パッと目を引くのはその時代の衣服や車。軍服等はかなり再現率が高いらしいです。ヒトラーのおかげでナチスは制服のセンスがずば抜けて良いので、高官たちが集合すると圧巻です。正に様式美。
 後半で特に思うんですが、とにかくトム・クルーズの目力には感服します。シュタウフェンベルク大佐が片目であるために目の演技が要求され、かなり力を入れて演じたそうな。オルブリヒト将軍役のビル・ナイも良い味出してます。パイレーツでの印象が強い彼ですが、これでイメージを払拭できたんじゃないでしょうか。
 ドイツ語で作られなかったことが残念ですが、世界的に"unknown hero"を広める目的だったのであれば、共通語の英語で作った点は納得が行きます。ただテーマがテーマなため「美しいドイツ」側のことしか書いていないので、完全なる戦争映画かというとそうでもない気がします。カテゴリとしてはサスペンスな気が。これと並行して『シンドラーのリスト』や『ディファイアンス』を見ると丁度良いと思われます。

 私は非常に楽しめる映画でした。正直に言うと、かっこいい制服を見ることが出来ただけで満足です。


6/16 追記 7/24にDVDが出るようですね。お手頃価格なので未見の方は是非プレミアムエディションをお勧めします。この作品はインタビュー映像やメイキング、また音声解説などでじっくり理解を深めて観るのが一番良いです。


(2009.3.24)
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