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りんたとさじ


「慣れるしかないわね」


 恐らくこの先有名になることもないであろう、マイナーもいいとこな雑誌掲載漫画です。オガツさんのファーストコミックということでおめでたいのですが、個人的にファーストとということがかなり疑問です。前連載の『リャンちゃん』とか『イカしたマスターのいる店』はどうしたんだろう。けっこう長い間連載してたような気がするんですが。待ってたらそのうち単行本化するかもしれませんね。
 表紙が印象的なこの漫画、『ネムキ』で連載されているので一癖も二癖もある作品です。あの雑誌は質の良いホラー・SFが多い(でもマイナー)と思うのは私だけでしょうか。大まかに言うとイケメン眼鏡男子"りんた"と明るく人好きのする女の子"さじ"の怪異物語です。シリーズなので一話完結型。日常の中に潜む非日常というテーマ通り、読んでいると現実と非現実が曖昧になります。最初は絶対に現実だったはずなのに、いつの間にか非現実に引き込まれる感じ。まさに狭間を除き込む感覚です。サジがかなり明るい子なので時折見られるギャグ要素に和む反面、話が進むにつれ徐々に迫ってくる不安とラストがかなり衝撃的です。でも必ず日常に帰結して終わる、その点オガツさんの話の作り方が上手いなあと思う。最後のページで驚かなかった、または怖くならなかった話が無い。基本的にサジがリン太に巻き込まれて事件に関わらざるを得なくなる展開なんですが、リン太を見てるとそれもしょうがないかなあと思えてきます。あまりにいい男すぎてサジの気持ちが分かるというか、とにかくイケメンなんですね。6話『傘の人』の夜警姿はサジじゃなくても惚れます。多分リン太はモテると思うので、この先サジにライバル現るラブコメ的な展開も期待できると思うんですがどうでしょう。オガツさんなら凡庸にならずに上手く話を作ってくれるんじゃないかと。

 掲載誌のためかあまり知られていない作品ですが、ホラー好きの方に大変オススメです。伊藤潤二とはまた違った怖さを是非。


(2009.10.10)
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チェーザレ 破壊の創造者 7巻


「これは今宵最後の人としての名残だ」


 特に乱れもなくコンスタントに掲載されているようなので安心して読めます。原作が未翻訳とは言え一応チェーザレ・ボルジアの物語は世に出回ってはいるわけで、どうしても気になるようならそちらを探せば良いですからね。気長に連載の進行を待とうと思います。

 さて気になる7巻ですが、正直本編はあまり進んでいません。今までずっと予告されていた聖職者としてのチェーザレとジョヴァンニの降誕祭がやっと行われた、ということぐらいです。しかしまたこのシーンの描写の細かいこと細かいこと。台詞がほとんどないにも関わらず、絵だけで式の緊迫した荘厳な空気が伝わってきます。個人的にこのシーンは映画『LES CHORISTES』のサントラの中の一曲、『IN MEMORIAM』を聞きながら読むと大変良い気分で雰囲気を味わえると思います。
 相変わらず背景の写真をそのまま写したかのような作画の緻密さには感嘆するしかありませんが、今回のメインはそれよりもあの歴史的事件「カノッサの屈辱」からダンテの「神曲」への繋がりにおける宗教観と統治論の展開の仕方ではないでしょうか。世界史を少しでも勉強した人、また受験生であればカノッサと言えば教皇派と皇帝派の権威が逆転した重大事件、とすぐ頭に浮かぶと思います。後に聖人と讃えられる教皇グレゴリウス酸い函当時勝者として権威を強めたハインリヒ言ぁ△海瞭鷽佑旅柿茲鯆未靴董嵳想としての」二元論と「現実での」一元論が語られます。「ではグレゴリウス酸い蓮△呂燭靴匿燭棒賛佑任△辰燭里」というくだりから、続いてハインリヒ酸い諒萇犬力叩△泙燭修海らダンテとハインリヒ酸い箸隆愀犬悗範辰展開します。この墓標に込められた本当の意味がまたよくもまあこんな堂々と、というようなもので、読みながら思わず感心してしまいました。一元論、つまり皇帝至上主義を掲げたダンテ、「教皇派を叩き潰せ」と言うチェーザレ、そんな彼の姿を見ながらフィレンツェの先を憂うマキャヴェリ、『君主論』の誕生を予感させるエピソードでした。歴史的事実とこれからのことを絡める伏線が本当に上手いと言うか、展開の仕方が分かりやすくて良いですね。ビジュアル化されると歴史もこんなに面白いのか、という感じです。しかしこれから先、チェーザレは今まで以上に本心を見せなくなって行くんでしょうね。
 というように今巻はとにかく歴史をなぞってチェーザレの未来を予言することがメインだったと思うので、本編は前述の通りあまり進んでいません。アンジェロの怪我は良くなったようですが、ミゲルのふとした態度が時々気になります。このままチェーザレと共に進む良き友であれ、と願うのですが、きっとそう上手くは行かないのでしょう。チェーザレがアンジェロに渡した書庫の鍵の意味も気になるところ。大人顔負けの策略を巡らせる彼らですが、もう少し学生時代を堪能してくれても罰は当たらないんじゃないかな。本意であれ不本意であれ、みんな大人になっていくんですね。「全てを知っているのは神だけだ」と呟くミゲル、これがチェーザレの最後の弱音になるのかなとも思ったりします。

 そこはかとなく郷愁と切なさを感じながら、続刊を心待ちにしたいと思います。


(2009.8.22)
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萌えの死角


「みんな好みはバラバラ 人の数だけ萌えがある」


 エッセイです。表紙に惑わされて描き下ろしだと思うとちょっとがっかりするのでご注意。『文鳥様と私』を初めとして、エッセイ漫画にも定評のある今市子による、所謂「やおい」話の集大成です。

 今さんが二次元よりは三次元に萌える方らしいので、映画やドラマの話が多いです。あと今さん本人も書いているように年代が高めなので、所々ジェネレーションギャップを感じるところが出てきて困りました。ご存命でない俳優さんの話だとか、新しいものしか見ない、という方には理解し難い部分があるのは否めません。でも全体を通して今さんならではの見解を知ることが出来て、非常に面白いです。
 バレエや映画『ブロークバックマウンテン』、『王の男』からドラマ『相棒』、まさかのドラマCD『蟹工船』(まさかの今さんによるビジュアル化)まで、多岐に渡る今さんの萌えスペクトルが凝縮されています。今さんと意見が被るところが面白い程見つからず、笑ってしまいました。
 まだ連載中らしいので、欲を言うともう少し溜まってから出してほしかったです。少々値の張る感じは否めません。例の如く弱小誌らしいのであまり責めるのも可哀そうな気もしますが。

 目次の今さん版ユーリたちの美しさには目が飛び出るかと思いました。ありがとう。


(2009.3.12)
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群青学舎 4巻(完結)


 まさかの最終巻。もう少し続くと思ってたのでとても残念です。もっと読みたかった!

 毎回主人公が違うのでストーリー同士の繋がりはあまり無いのですが、嬉しいことに『コダマの谷からライダー&マージが出てます。これは嬉しい。彼らのその後を見ることが出来てとても嬉しいです。当時とはかなり絵のタッチが変わってしまったので少し悲しく思いますが、それも成長の一つ。画力が格段に上がったのは明らかなので喜ばしい変化です。
 『七色』シリーズも好きです。こういう両親の元に生まれたかったし、こういう母になりたいと思うし、そしてこういう息子が欲しい。理想の家族です。『老楡』はまさに「学舎」でした。最後に今までのキャラ総出演の後日譚が付いてます。実を言うと一番好きな子が『白い火』の漣子なので、彼女が幸せそうなのでとても安心しました。あとマリオンちゃんと万里雄と青子が好きです。というかもうみんな好きです。

 完結は寂しいですが、最終巻として申し分のないボリュームでした。エンターブレイン素晴らしい。次の作品にも期待大!


(2009.2.15)
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