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娚の一生 3巻(完結)


「君はひとりで生きていったらええ。ぼくもひとりで生きていく。ふたりして、ひとりで生きていこや……」


 待望の新刊にして完結巻。じっくりと二人の心の距離を書いていくものだと思っていたので意外と短くまとまってしまったのは残念ですが、ただ続けるだけのためにずるずる引き延ばされるのも何だかなあと思うので、これで良いかなとも思います。実際は好き合った二人がいてそこにライバルが次々介入、なんてドラマそうそう無いですから、スパッと終わるのはある意味リアルなのかも。
 さて、2巻まではつぐみの心の動きに重点が置かれていましたが、今回ばかりは海江田さんの「人間らしさ」がやっと表面に出されていました。元彼と比べられたら誰でも傷つくわけで、それをされた海江田さんの反応は極端とは言え当たり前です。逆につぐみが鈍い。この二人がお互いに好意を持っていることは十分伝わってくるのですが、如何せんどこか諦めているところのある二人なので、読んでいるこちら側はそんなすれ違い寸前の危ういバランスにドキドキ……。というかハラハラしてました。またそんなこと言って! と、一言発する度に空気が凍結するようなこともしばしば。それでも二人のお互いへの気持ちが変わらない、むしろかえって強くなるというのはすごい。青春云々はどうあれ、恋愛に年齢制限は無いのだと考えさせられます。
 今回はなし崩し的に大きな事件が起きるんですが、これはどうも賛否両論のようです。今までが日常に潜む仄かなドラマを淡々と描いてきた作品だった分今回の展開は予想の斜め上すぎて、確かに御都合主義と言われればそれまでなのでしょう。ただ私はどちらかと言うと嫌いではないです。全ての話を丸くおさめることの出来る展開(これが御都合なわけですが)だったので、大団円としては申し分ないのではないでしょうか。あと、やっぱり二次元でフィクションなわけですから、こういうドラマが待っていても良いんじゃないかと思うわけです。私個人はこのリアルとフィクション(エンターテイメント)の絡ませ方が好きですが、ここはどうしても個人の好みによるので一概に言えることではありませんね。

 最初から最後まで、一貫して感情や想いの一つ一つを丁寧に、しつこすぎず爽やかに描いてあります。若さ・青さから来る爽やかさではないところがこの作品の売りなんでしょう。特に「過去」に対する二人の向き合い方。海江田さんの後悔と、つぐみの後悔、どちらも引き摺っていたものを清算できたのがこの最終巻。海江田さんもつぐみに何度も過去を忘れるように言葉の端々で諭していましたが、実は一番過去に囚われているのは海江田さんだったのです(自分の過去、つぐみの過去に関わらず)。それが爆発して昇華される。人間、いくつになってもときめきは忘れたくないものですね。もっと自分が成長して、社会の荒波に揉まれてやりきれなくなった時にもう一度読み返したい作品です。


(2010.5.4)
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